高額査定になりやすい着物
普段はあまり意識をしないものですが、着物というのは非常に価値の高いものであり買取に出しても高値を期待することができるものがいくつもあります。
今の時代は着る人の数も少なくなってしまったことから、価値がわからないという人も少なくないものですが中には驚くほどに高く売れるものも少なくありません。
元の値段が高いということもありますので、高く売れるのもおかしな話ではないのですが普段からその価値を意識して見なければ、どれだけ価値があるのかというのはわかりにくいものです。
そこで、今回は「高額査定になりやすい着物」について紹介したいと思います。
着物の査定は、大きく「着物そのものの質と状態」「ブランド」「流行」の3つの要因によって決まります。
高額査定になりやすい着物というのは、この要因がそろっているものということになります。それでは、その内容を見ていきましょう。
1.着物そのものの質と状態
- 「生地」
着物の生地は、やはり正絹が一番高く売れます。また麻も、比較的高くなります。
一方、ウールやポリエステルなど化繊の着物は、どうしても買取り価格が低くなりがちです。 - 「使用頻度」
当然ながら、未使用のもの、まだしつけ糸が付いている状態のものなど着用回数が少ないものほど高額査定となります。 - 「保存状態」
保存状態も、着物の買取り価格を大きく左右します。使用したものであっても保存状態の良いものは買取り価格が高くなります。その反対に、シミや汚れ、シワ、傷みなどがあると、買取り価格は下がります。
着物をできるだけ高額買取してもらうためには、日頃の保管の仕方は大切なポイントになることが分かります。傷んでしまったり臭いがうつったりしないような場所に保管しておきましょう。→着物の保管方法を見る
2.ブランド
着物の世界であってもブランドというものがあり、人気のブランドは高く売ることができます。「有名作家」「産地もの」「伝統工芸品」「アンティーク着物」などの着物は、買取り価格がかなり高くなります。物によっては、数十万円という価格になることもあります。その内容をいくつか紹介いたします。
- 「有名作家」
人間国宝の小宮康孝、羽田登喜男の作品や、老舗呉服屋の千切屋、千總、三河屋が仕立てた着物などが有名です。その他にも着物の有名作家はたくさんおられます。人間国宝や老舗の呉服屋で仕立てのものは他のものと比較をしても格段に良いものですので、高い評価を得ることが出来ます。→有名作家を詳しくみる - 「産地もの」
石川の加賀友禅、京都の京友禅、新潟の越後上布、宮崎の薩摩絣、兵庫の丹波布、茨城の結城紬などが代表ですが、他にも全国各地の産地で有名なものがあります。→着物・帯・染織の産地を詳しくみる - 「伝統工芸品」
製造技術が100年以上の歴史をもち、熟練した技、芸術的な要素を備え、一般の日常生活に使用されるものが対象となります。その中で有名なものは、加賀友禅や京友禅があります。 - 「アンティーク着物」
昭和初期以前につくられたもののなかで、特に状態のよい着物のことを指します。日本人が日常的に着物をきていた頃に制作されたものであるため、大正ロマンの幾学模様や抽象模様など、生活に馴染みのあるデザインや色のものも多く、丁寧で着やすい工夫がされているものも多くあります。また、その時代特有の独特なデザインのものも多く、現代には存在しないため、貴重な価値がつくものもあります。
ただしそれらのものでも、証紙がきちんとあるかないかで、価格は大きく変わってきます。また老舗呉服店のたとう紙に入っているものも、買取り価格は高くなります。
3.流行
有名で価値ある着物であっても、流行の柄はより高く高値がつきますし、流行が過ぎてしまうと買取価格も下がることもあり、価格はまちまちになります。
ただし着物の流行は、1~2年でコロコロ変わる洋服とはちがい、流行の周期は10~20年くらいだと思います。ですので、一つの目安としては、どの買取店でも10年以内の着物であれば高く買取ってくれることが多です。
しかし、2.ブランドに出てきた古典的な着物については、流行に関わりなく、一定の需要があり、価格も比較的安定して高めになります。
ですので、このような価値のある着物を買取に出す時は特に、それを理解した上で買取に出すことが重要です。そして、その価値をしっかりと認めてくれる店かどうかを見極めることも大切です。いくら価値のあるものであっても、その価値を理解してもらえなければ、せっかく価値ある着物も安値で売ってしまうことになり損をしてしまうことになります。
着物の価値というのは一般人には少しわかりづらい部分があります。それだからこそ、着物を買取に出されるさいは、その価値をよく把握し安値で売ってしまわないように注意しましょう。